夢見カタバミ

ぱるふぁん(twitter→@parfum_de_robe)が見た夢の内容を淡々と記録していきます。

殺人遊園地の話

あのタモリがテーマパークを作ったらしい。オープン日、さっそく私は高校時代の友人達とともに長い列に並び、チケットを買いテーマパークに入った。ずいぶん広い敷地だが、その中身はどうやら東京ディズニーシーの下位互換のようだ。やがて夜になり、閉園時間が近づいてきた。海を模したプールでの水上ショーが始まったが、私は友人達を置いて先にパークから出ることにした。

入り口のすぐ外で友人達を待っていたが、閉園時間を過ぎても一向に出てくる気配が無い。これはどうしたことか。しばらくすると人がぞろぞろとパークから出てきた。よく見ると彼らは皆警備員と思しき人達に羽交締めにされてどこかへ連れて行かれるようだ。そのうちの一人、任天堂のマリオのような見た目の男が警備員の手をすり抜けた。マリオは高いビルの屋上まで逃げると、

「殺される前に死んでやるさ!」

と叫び飛び降りた。追いかけていた警備員は諦めて去っていった。ところがマリオは地面に着く直前に上手く滑空して無事に着地し、警備員が去ったのを確認すると走って逃げ出した。初めから自殺するつもりなど無かったのだ。だが別の警備員がそれを目ざとく見つけるとマリオを再び連行していった。

恐ろしくなった私は柱の陰に隠れ、チケットの事を何故かふと思い出し取り出した。チケットにしてはやけに大きい。そういえば買う時に署名もさせられたな。そう思いながらチケットの裏を見ると、小さな文字でびっしりと『利用規約』が書かれていた。違反しないなんて不可能なほど些細な事まで制限されている。しかもこの規約の有効期間は、利用者がパークに入場してから一生続くのだ。そして違反すれば罰則として生殺与奪の権利がパークに与えられると書かれている。なんとしても殺される前に逃げなくてはいけない。私は警備員に見つからないよう、そっと逃げ出し駅へと向かった。

広い荒地にぽつんと建つ駅には、むき出しのホームが一つあるのみだ。パークから家へ帰ろうとする人々で長い列ができていた。列の中に大学同期が数人いるのを見つけると私は駆け寄った。やがて順番がようやく回ってきて電車に乗り込むと、乗客は何故か全員首に重い鎖を付けられた。この電車は家になんか向かわない。死へ輸送されるのだ。そう直感した私は隙を見て車窓から逃げ出した。

走り続けていた私は真夜中の博物館に迷い込んだ。ある展示室に入ると、一人の警備員が十人以上の人を鎖につないで引き連れているのが見えた。物陰から様子を伺っていると、遠くで何か大きな物音がした。警備員は囚人を残して音のする方へ離れていった。警備員が見えなくなると、床下からあのマリオが現れた。どうにか逃げ出して無事だったのだ。鎖で繋がれた人々と私は、マリオの作った地下空間へ逃げた。

私達は共に地下空間での生活を始めた。窮屈だが穏やかな暮らしがしばらく続いた。ある日、仲間が地下空間に入ろうとする合図のノックが鳴った。マリオは数学者だった。彼はいつも絶え間なく紙と鉛筆で何か計算していたので、仲間が地下空間に出入りする時にとても重い扉を開けてやる係を率先して引き受ける事は無かった。が、その時は私と彼しかいなかったので、彼は鉛筆を渋々置くと扉を開けに行った。

しばらくしても誰も入ってこない。マリオも帰ってこない。耳をすますと何やら騒がしい。騙されたのだ。マリオは扉を突破しようとする警備員達と戦っていた。私はもう一つの出入り口から逃げ出して、後ろも振り返らずに走った。マリオはどうなっただろう。他の仲間たちはどうなっただろう。電車に乗った同期たちはどうなっただろう。一緒にパークに入った友人たちはどうなっただろう。そんなことを考えながら、ただ走っていた。

 

 

 

……という夢を見ました。タモリがこんなに恐ろしい奴だったとは知らなかったなぁ。久しぶりに突拍子もない夢を見ました。

 

今日の話は、これでお終い。