夢見カタバミ

ぱるふぁん(twitter→@parfum_de_robe)が見た夢の内容を淡々と記録していきます。

空飛ぶ船の話

東京ディズニーシーに新しいアトラクションができていた。二人乗りの小さなヨットのような形で、二匹の空飛ぶ狼がそれを引いている。船体には小瓶がぶら下げられていて、その中に入っているティンカーベルが妖精の粉をふりかけることで船を浮かび上がらせてくれる。この船を使ってパーク上空を二時間自由に飛び回ることができる、というアトラクションだった。

まだ開園前で、パーク内はほぼ無人だ。私と恋人は開園前の点検で新アトラクションに試乗するために招かれたのだった。船の前方に彼が、後方に私が乗り込む。小瓶の中にいる本物のティンカーベルにさほど驚くこともなく、私は魔法の粉をまいて船を出航させた。前方の彼が馬車の御者のように狼を操る。目下に広がるディズニーシーの海は、まるで太平洋のように果てしなく続いている。

 

妹と私は新アトラクションの行列に並んでいた。今度は試乗ではなく、客としてアトラクションに乗りにきたのだった。ほどなくして私達の順番が回ってきた。今度は私が前方に乗り込み、狼の手綱を握る。

「ランドとシー、両方を空から見てみようか」

振り返って言うと、妹は嬉しそうにうなづいた。

 

そこは明らかに東京ディズニーシーではなかった。東京ディズニーランドでもない。もはや日本ですらない。ここはおそらく中東のどこかだ、と私は直感的に思った。進路を誤り国境を越えてしまった私達は、不法侵入者として軍に拘束されていた。

どこだか分からないビルの中、蛍光灯の冷たい光に照らされながら、私達は大勢の怖い顔をした大人に囲まれていた。何語か分からない言葉を使ってボソボソと会話している。私は英語でのコミュニケーションを試みるが、私の声など聞こえてもいないようだ。

 

一人の女性が颯爽と部屋に入ってきた。綺麗な金髪に真っ赤な口紅、黒いピタピタした服。顔は少しテイラースウィフトに似ている。彼女が何か一言発し、怖い顔の大人たちは全員ぞろぞろと退室した。

私達は意図して不法侵入したわけではありません、と英語で彼女に伝える。最後まで言い終わらないうちに、知っているわ、と遮られた。ついてきなさい、と彼女は言い、そして歩きはじめた。

 

エレベーターに乗っていた。壁も床も天井も、全てがガラス張りになっている。妹は私と手を繋いで不安そうにしている。金髪の女性は無言でどこか遠くを見ている。ずいぶん長いことこうしているように思えた。

たぶん日本に帰してもらえるのだろう、日本のどこに連れて行かれるかは分からないが、と私は考えていた。やがてエレベーターのはるか下に、東京ディズニーランドのシンデレラ城が見えてきた。どうやら私達は舞浜に送り届けられるらしい。

ふと気がつくと、私の左手にはタイマーが握られていた。アトラクションに乗る時に手渡されたものだ、と私はすぐに思い出した。タイマーの示す時間はもうすぐで二時間になろうとしていた。何日も経ったかのように感じていたが、まだ二時間しか経っていなかったのか。中東と日本はずいぶんと近いのだな、と私はぼんやり考えていた。

 

 

 

……という夢を見ていました。ちなみに、ディズニーに新アトラクションができたのは現実の話です。もちろん空飛ぶ狼やティンカーベルはいないと思いますが、どんなアトラクションなのか楽しみでワクワクしています。